Archive for the ‘未分類’ Category

任意後見契約が向いている人は?事例でわかるメリット・注意点

2026-09-06

「私の将来、大丈夫?」任意後見契約を考えるきっかけ

「もし、自分が急に倒れたら、銀行の手続きや家の管理は誰がしてくれるんだろう…」
「子どもはいるけれど、遠くに住んでいるし、迷惑はかけたくないな…」
「私たち夫婦、どちらかが先に認知症になったら、残された方はどうなってしまうんだろう…」

こうした漠然とした不安は、決してあなただけが抱えている特別な悩みではありません。多くの方が、ご自身の、あるいはご家族の将来を思い、同じような心配事を胸に抱えています。特に、おひとりさまで暮らしている方、お子様がいないご夫婦、ご家族と離れて暮らしている方にとって、判断能力が衰えた後の生活設計は、とても切実な問題です。

自分の意思で、自分の望む生活を守り抜きたい。そんな想いに応えるための一つの答えが「任意後見契約」です。

この記事では、司法書士である私が、どのような方に任意後見契約が向いているのか、具体的なケースを交えながら、将来に備えるための考え方と手続きの流れを丁寧にご説明します。将来の備えには、遺言や死後事務委任契約など様々な選択肢がありますが、まずは「生きている間の備え」として、任意後見契約が、将来の生活や財産管理にどのように役立つのかを確認していきましょう。

任意後見契約が特に向いている3つのケース

では、具体的にどのような方が任意後見契約の利用を検討すべきなのでしょうか。ここでは、代表的な3つのケースを、具体的な事例を交えてご紹介します。ご自身の状況と照らし合わせながら、読み進めてみてください。

将来の財産管理や生活に不安を感じている女性のイメージ。

ケース1:頼れる親族がいない・遠方にいる「おひとりさま」

おひとりで暮らしている方や、お子様が海外や遠方に住んでいてすぐに頼ることが難しい方にとって、将来の財産管理や身の回りの手続きは大きな不安要素です。

例えば、急な病気で入院することになった場合を想像してみてください。入院一時金の支払いや、高額療養費制度の申請、必要な衣類や日用品の購入など、様々な手続きが必要になります。もし判断能力が低下していれば、こうした手続きをご自身で行うことは困難です。

任意後見契約を結んでおけば、あらかじめ指定した信頼できる人(任意後見人)が、あなたに代わって預貯金の引き出しや各種契約手続きを行ってくれます。介護施設への入所を希望する場合も、スムーズに契約を進めることができるでしょう。

もしこの契約がなければ、いざという時に誰もあなたの財産を動かすことができず、必要な医療や介護が受けられない事態に陥る可能性すらあります。最終的には、市町村長が申立てを行い法定後見人が選ばれることもありますが、その場合、自分で後見人を選ぶことはできません。任意後見契約では、判断能力があるうちに、信頼できる人を任意後見人の候補者として指定できる点に意義があります。

ケース2:子どもがいないご夫婦

お子様がいないご夫婦の場合、「お互いがいるから大丈夫」と考えている方も少なくありません。しかし、そこには見落としがちなリスクが潜んでいます。

例えば、夫が認知症になり、妻が夫名義の預金口座から生活費を引き出そうとしても、銀行から「ご本人様の意思確認ができないため、手続きできません」と断られてしまうケースがあります。また、夫婦の共有名義になっている自宅を売却して介護施設の入居費用に充てようとしても、夫の判断能力がなければ売買契約はできません。

たとえ長年連れ添った配偶者であっても、法律上、代理権は自動的に与えられるわけではないのです。

このような事態を避けるため、元気なうちに夫婦がお互いを任意後見人の候補者とする契約を結んでおくことが有効です。そうすれば、万が一どちらかの判断能力が低下しても、残された一方がスムーズに財産管理や必要な契約手続きを行え、お互いの穏やかな生活を守ることができます。より詳しい対策については「同年代夫婦の認知症対策」の記事も参考になさってください。

ケース3:特定の人物に財産管理を託したい意思が明確な方

「財産の管理は、しっかり者の長男に任せたい」
「身の回りのことは、いつも気にかけてくれる姪にお願いしたい」

このように、将来自分を支えてくれる人について明確な希望をお持ちの方にこそ、任意後見契約は最適な制度です。

もし何の準備もしないまま判断能力が低下してしまうと、「法定後見制度」を利用することになります。この制度では、後見人を家庭裁判所が選任するため、必ずしもあなたの希望通りの人が選ばれるとは限りません。場合によっては、全く面識のない専門家が後見人に選ばれることもあります。

任意後見契約は、ご自身の意思で「誰に」「何を」任せるかを決められる、いわばオーダーメイドの備えです。複数のご家族の中から特定の人に任せたい場合や、生前の介護などを条件に財産を渡したいといった希望がある場合など、あなたの想いを将来の手続きに反映しやすくすることができます。

家族信託との併用はどんな時に考えるべき?

将来の備えとして「家族信託」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。任意後見と家族信託は、どちらも財産管理のための制度ですが、得意なこと、苦手なことがあります。そして、この二つを組み合わせることで、より強力にあなたの希望を実現できる場合があります。どのような場合に併用を検討すべきか、見ていきましょう。

将来の備えの全体像については、成年後見制度の判断基準と代替策で体系的に解説しています。

任意後見契約の「身上監護」と家族信託の「財産管理」の役割を比較し、併用するメリットを示した図解。

柔軟な財産管理と身上監護の両方が必要な場合

例えば、アパート経営をされている方が、「将来、判断能力が衰えても家賃収入を元手に資産運用を続けたい。でも、同時に介護施設への入所手続きなども任せたい」と考えているケースです。

この場合、任意後見契約だけでは、財産を「守る」ことが基本となるため、株式投資や不動産の建て替えといった積極的な資産活用は難しいのが実情です。一方で、家族信託は柔軟な財産管理を得意としますが、入院手続きや介護契約といった「身上監護」に関する事務は行えません。

そこで、任意後見契約と家族信託を併用する方法が考えられます。家族信託でアパート経営や資産活用を子どもに託し、任意後見契約で身上監護を任せる。こうすることで、財産を積極的に活かしながら、身の回りの支援にも対応しやすい体制を整えることができます。

財産管理を任せる人と、身の回りの世話を頼む人を分けたい場合

「財産管理は、数字に明るい長男に。身の回りのことは、近くに住んでいて何かと頼りになる長女に」というように、ご家族の得意分野に応じて役割分担をしたいと考える方もいらっしゃいます。

このようなケースでも、併用が非常に有効です。家族信託の受託者(財産を管理する人)を長男にし、任意後見人を長女に指定します。こうすることで、それぞれの役割に応じて、財産管理と身上監護を分担する体制を作ることができます。

これは、単に効率が良いだけでなく、家族間の無用なトラブルを防ぐ効果も期待できます。一人の子どもにすべてを任せると負担が集中したり、他の兄弟から不満が出たりすることもありますが、役割を明確に分けることで、円満な家族関係を維持しながら、あなたの状況に合ったサポートを受けやすくなります。

契約前に知るべき注意点と後悔しないための3つのポイント

任意後見契約は非常に有用な制度ですが、良い面ばかりではありません。「こんなはずではなかった」と後悔しないために、契約前に必ず知っておいていただきたい3つの重要なポイントがあります。デメリットも正直にお伝えした上で、専門家としてどうすればそれを回避できるかをお話しします。

ポイント1:「任意後見監督人」の役割と報酬を理解する

任意後見契約が実際に効力を生む際には、家庭裁判所によって「任意後見監督人」が必ず選任されます。これは、任意後見人が契約内容に従って適正に仕事をしているかをチェックする、いわば見張り役のような存在です。多くの場合、弁護士や司法書士などの専門家が就任します。

ここで重要なのが、この任意後見監督人に対して、継続的に報酬を支払う必要があるという点です。たとえご家族が任意後見人になったとしても、この費用は、家庭裁判所が報酬付与を認めた場合に、ご本人の財産から支払われます。任意後見が続く間は、継続的な費用として見込んでおく必要があります。

「家族に頼むから費用はかからない」と誤解されている方もいらっしゃいますが、監督人報酬は、家庭裁判所が報酬付与を認めた場合に発生するため、長期的な費用として想定しておくことが大切です。長期的な資金計画を立てる上で、この点を必ず念頭に置いておく必要があります。

参照:家庭裁判所が公表している成年後見人等の報酬額のめやす

ポイント2:契約の効力が発生するタイミングを間違えない

「任意後見契約を結んだから、明日からでも代わりに銀行手続きをしてもらえる」と思っていませんか?これはよくある誤解の一つです。

任意後見契約の効力は、契約を締結してすぐに発生するわけではありません。実際に効力が生じるのは、将来、あなたの判断能力が低下し、家庭裁判所に申立てをして「任意後見監督人」が選任された時点からです。

もし、元気なうちから財産の管理や身の回りの手伝いを頼みたい場合は、「財産管理委任契約」を任意後見契約とセットで結ぶ「移行型」という契約形態があります。これにより、判断能力があるうちは財産管理委任契約に基づきサポートを受け、判断能力が低下した後はスムーズに任意後見に移行するという、切れ目のない支援体制を整えることが可能になります。

任意後見契約が効力を発生するまでの流れを示した図解。契約締結後、判断能力が低下し、家庭裁判所で監督人が選任されてから効力が生じることを示している。

ポイント3:取消権がないことを知っておく

これは法定後見との決定的な違いであり、任意後見の最大の注意点かもしれません。法定後見人には、本人が悪質な訪問販売で不要な高額商品を買わされてしまったような場合に、後からその契約を取り消すことができる「取消権」という強力な権限が与えられています。

しかし、任意後見人には、この「取消権」がありません。

これは、任意後見制度が本人の意思を最大限尊重することを基本としているためです。このデメリットを理解した上で、もし消費者被害などのリスクが特に心配な場合は、定期的な見守り契約を併用して異変を早期に察知できる体制を整えたり、状況によっては将来的に成年後見制度の改正動向も注視しつつ、法定後見に切り替えることも視野に入れる必要があります。

まとめ:あなたに合った備えを専門家と一緒に考えましょう

この記事では、任意後見契約がどのような方に特に向いているのか、具体的なケースを挙げて解説してきました。

  • 頼れる親族が近くにいない、おひとりさまやご家族が遠方にお住まいの方
  • お子様のいないご夫婦で、お互いの将来を守りたいと考えている方
  • 「この人に任せたい」というご自身の意思を確実に反映させたい方

上記に当てはまる方にとって、任意後見契約は、将来の不安を和らげるための選択肢の一つとなります。また、家族信託と組み合わせることで、より柔軟な備えを検討することも可能です。

しかし、契約時の注意点からもお分かりいただけたように、これらの制度はとても専門的で、あなたの状況や希望によって最適な設計は全く異なります。一人で悩んでいても、なかなか答えは見つからないかもしれません。

大切なのは、あなたの想いや不安を専門家に打ち明けてみることです。えなみ司法書士事務所では、ご相談時に丁寧にお話を伺い、あなたの状況に合った道筋を一緒に考えます。初回のご相談から、状況の整理と必要な手続きの検討をサポートします。

任意後見契約に関する無料相談はこちら

所有不動産記録証明書の請求方法|書き方・必要書類・費用を解説

2026-03-01

所有不動産記録証明書の請求は3ステップで完了!

ご家族が亡くなられ、相続の手続きを進める中で「故人がどこに不動産を持っていたか分からない…」という壁に突き当たっていませんか?そんな時に心強い味方となるのが「所有不動産記録証明書」です。

この証明書を使えば、亡くなった方(被相続人)が日本全国に所有していた不動産を一覧で確認できる可能性があります。手続きが複雑に感じられるかもしれませんが、ご安心ください。請求手続きは、大きく分けて次の3つのステップで完了します。

  1. 必要書類の準備:ご自身の状況に合わせて、戸籍謄本や本人確認書類などを集めます。
  2. 請求書の作成:法務局の様式に、誰の不動産を調べたいのか、誰が請求するのかを記入します。
  3. 法務局への提出:準備した書類を、窓口・郵送・オンラインのいずれかの方法で提出します。

この記事では、相続手続きでこの証明書が必要な方に向けて、司法書士が請求書の具体的な書き方から必要書類、費用まで、一つひとつ丁寧に解説していきます。この記事を読み終える頃には、ご自身で手続きを進めるための知識がすべて身についているはずです。

なお、所有不動産記録証明制度そのものの目的や注意点といった全体像については、所有不動産記録証明制度とは?専門家が目的や注意点を解説で体系的に解説していますので、併せてご覧ください。

【記入例付】所有不動産記録証明書交付請求書の書き方

それでは、手続きの要となる「所有不動産記録証明書交付請求書」の書き方を解説します。この請求書一枚で、全国の不動産を検索できる非常に便利なものですが、記入方法を間違えると正しく検索されない可能性もあるため、慎重に進めましょう。

請求書の様式は法務局のホームページからダウンロードできます。表面と裏面があり、それぞれ記入する内容が異なります。一つずつ見ていきましょう。

参照:法務省「所有不動産記録証明書交付請求書」

所有不動産記録証明書交付請求書の書き方を示した図解。表面と裏面の記入例と各項目の解説が記載されている。

表面:請求者と証明書の通数を記入する

まずは表面です。ここには、「誰が」請求手続きを行うのかを記入します。

  • 請求人:法務局で手続きをする方(相続人ご本人や、依頼を受けた司法書士など)の住所・氏名を記入します。連絡先の電話番号も忘れずに記載してください。また、請求書には実印の捺印が必要です。但し、書面請求の場合には後述の運転免許証等の本人確認情報の原本提示により実印の捺印印鑑証明書の提出に代替することが可能となります。書類に不備があった際に、法務局からこの番号に連絡が入ります。
  • 証明書の請求通数:通常は「1通」で問題ありません。
  • 請求の資格:相続人として請求する場合、「相続人である旨を証明する情報」の欄にチェックを入れます。添付する書類に応じて、「戸籍(除籍)謄本」や「法定相続情報一覧図の写し」など、該当するものにチェックをしましょう。
  • 収入印紙貼付欄:手数料分の収入印紙を貼るスペースですが、金額が確定してから貼るのが確実です。この時点ではまだ何も貼らないでおきましょう。

裏面:検索したい人(被相続人)の情報を正確に記入する

次に裏面です。ここが最も重要な部分で、「誰の」不動産を検索したいのかを正確に伝えるための情報を記入します。

検索条件の欄には、亡くなった方(被相続人)の情報を記入します。

  • 氏名:被相続人の氏名を戸籍謄本や住民票除票に記載されている通りに正確に記入します。旧字・新字なども間違えないように注意が必要です。
  • 最後の住所:被相続人が亡くなった時の住所(住民票除票に記載の住所)を記入します。

ここで、専門家としてのワンポイントアドバイスです。もし被相続人が生前に何度も引っ越しをしていたり、結婚などで姓が変わっていたりする場合、最後の氏名・住所だけでは、過去に所有していた不動産が検索から漏れてしまう可能性があります。

そのような検索漏れを防ぐために、「過去の氏名・住所」も検索条件として追加することをおすすめします。戸籍の附票などを辿って判明した過去の住所や氏名を、この欄にできる限り記入しましょう。これにより、亡くなられた方の不動産を調べる精度が格段に上がります。ただし、検索条件を1つ追加するごとに手数料が加算される点には注意が必要です。

【ケース別】所有不動産記録証明書の請求に必要な書類一覧

次に、請求に必要な書類を確認しましょう。誰が請求するかによって必要書類が異なります。「ご自身(登記名義人本人)」が請求する場合と、「相続人」が請求する場合に分けて解説します。

所有不動産記録証明書の請求に必要な書類一覧の図解。「本人」と「相続人」のケース別に必要な書類がリストアップされている。

①登記名義人本人が請求する場合

ご自身の財産を整理する「終活」などの目的で、所有者本人が請求するケースです。必要書類は比較的シンプルです。

  • 所有不動産記録証明書交付請求書:上記で書き方を解説した書類です。
  • 本人確認書類:以下のいずれかの組み合わせが必要です。
    • 印鑑証明書(発行3ヶ月以内などの期限はありません)と実印
    • 運転免許証、マイナンバーカード、在留カードなどの顔写真付き公的証明書のコピー(原本還付も可)

もし、過去の氏名や住所で検索をしたい場合は、その氏名・住所の変遷がわかる戸籍謄本や住民票の除票などが追加で必要になります。

②相続人が被相続人の不動産を調べる場合

この記事をお読みの多くの方が、こちらのケースに該当するかと思います。相続人が請求する場合、ご自身が正当な相続人であることを証明するための書類が追加で必要になります。

  • 所有不動産記録証明書交付請求書
  • 請求者(相続人)の本人確認書類:上記①と同様です。
  • 被相続人が亡くなったことがわかる書類:被相続人の死亡の事実が記載された戸籍(除籍)謄本など。
  • 請求者が被相続人の相続人であることがわかる書類:被相続人の出生から死亡までの一連の戸籍謄本や、請求者ご自身の現在の戸籍謄本など、相続関係を証明できる一式が必要です。

戸籍の収集は、相続手続きの中でも特に時間と手間がかかる作業の一つです。もし、すでに「法定相続情報一覧図の写し」を取得している場合は、戸籍謄本一式の代わりにこれを提出できるため、手続きが大幅に簡略化されます。

不動産の調査と並行して、故人の借金調査なども進めておくと、相続全体の財産状況をスムーズに把握できます。

請求にかかる費用は?手数料の計算方法と納付方法

所有不動産記録証明書を取得するには、法務局へ手数料を納める必要があります。手数料は、請求方法や検索条件の数によって変わります。

書面(窓口・郵送)で請求する場合の手数料は、1つの検索条件につき1,600円です。

例えば、被相続人の「最後の住所」と、引っ越し前の「過去の住所」1つの、合計2つの検索条件で請求した場合は、以下のような計算になります。

計算例:1,600円 × 2条件 = 3,200円

この手数料は、「収入印紙」で納付します。収入印紙は、法務局内の印紙販売所や郵便局で購入できます。購入した収入印紙を、請求書の表面にある「収入印紙貼付欄」に貼り付けて提出します。

一つ注意点として、この手数料は調査に対する費用であるため、万が一調査の結果、該当する不動産が一件もなかった場合でも、手数料は返金されません。この点はあらかじめ理解しておきましょう。相続手続き全体でかかる相続登記の費用を考える上でも、こうした実費を把握しておくことは大切です。

申請方法は3種類!窓口・郵送・オンラインの違いと選び方

請求書の準備ができたら、いよいよ法務局へ提出します。申請方法には「窓口」「郵送」「オンライン」の3種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。ご自身の状況に合わせて最適な方法を選びましょう。

所有不動産記録証明書の申請方法を比較する表。「窓口」「郵送」「オンライン」それぞれのメリット、デメリット、手数料がまとめられている。

確実で安心!法務局の窓口で請求する方法

最もオーソドックスな方法が、法務局の窓口に直接出向いて請求する方法です。手続は、法務大臣が指定する登記所で取り扱われるため、事前に取扱登記所を確認のうえ、指定された登記所の窓口を利用します。

  • メリット:担当者に直接書類を確認してもらえるため、記入漏れや書類の不備をその場で修正できます。初めて手続きする方や、不安な方に最もおすすめの方法です。
  • デメリット:法務局の開庁時間である平日8:30~17:15の間に行く必要があります。
  • 持ち物:作成した請求書、必要書類一式、本人確認書類の原本、手数料(収入印紙)

会社の登記などで法務局へ印鑑届を提出する際など、他の用事と合わせて訪問するのも効率的です。

来庁不要!郵送で請求する方法

法務局が遠い方や、平日に時間を取れない方は、郵送で請求することもできます。この方法も、全国どこの法務局に送っても構いません。

  • メリット:法務局に行く手間が省けます。
  • デメリット:書類に不備があった場合、電話でのやり取りや再郵送が必要になり、時間がかかることがあります。また、証明書を返送してもらうための返信用封筒と切手を同封する必要があります。
  • 送付物:請求書、必要書類一式、返信用封筒・切手

封筒の宛名は「〇〇法務局 御中」と記載して送付しましょう。

手数料が最安!オンラインで請求する方法

パソコンの操作に慣れている方であれば、オンラインでの請求が最も便利で手数料も安くなります。

  • メリット:手数料が最も安い(窓口交付の場合1,470円)。月曜日から金曜日まで(祝日・年末年始除く)8:30~21:00の間に、自宅のPCから申請できます。
  • デメリット:マイナンバーカードと、それを読み取るためのICカードリーダライタが必要です。また、法務省の「登記・供託オンライン申請システム」の専用ソフトをインストールし、操作に慣れる必要があります。

手順としては、申請者情報の登録、請求情報の入力、電子署名の付与、手数料の電子納付(インターネットバンキング等)という流れになります。

請求から発行までにかかる期間

横浜地方法務局(馬車道にある本局)では、発行まで約1週間かかるようです(確認済み)。

司法書士への代理請求を検討すべきケースとは?

ここまでご自身で手続きする方法を解説してきましたが、「戸籍を集めるのが大変そう」「検索漏れがないか心配」「平日に動く時間がない」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。そのような場合は、私たち司法書士に代理請求をご依頼いただくという選択肢もあります。

司法書士に依頼する主なメリットは以下の3つです。

  1. 複雑な戸籍収集から任せられる:相続手続きの第一関門である、面倒な戸籍謄本の一式収集から代行します。
  2. 検索漏れのリスクを最小限にできる:専門家の視点で戸籍の附票などを読み解き、必要な検索条件を洗い出すことで、調査の精度を高めます。
  3. 相続登記までワンストップで依頼できる:証明書を取得して不動産が判明した後、その後の相続登記手続きまでスムーズに移行できます。

特に、「相続人の数が多くて関係が複雑」「被相続人が何度も転居や結婚を繰り返している」「仕事が忙しく、自分で手続きを進める時間が全くない」といったケースでは、専門家に任せる方が、結果的に時間的・精神的な負担を大きく軽減できる可能性があります。

代理請求に必要な委任状の書き方と注意点

司法書士などの代理人に請求を依頼する場合、「委任状」が必要になります。委任状には、以下の項目を記載します。

  • 委任者(あなた)の住所・氏名
  • 受任者(司法書士)の住所・氏名・事務所名
  • 委任事項:「所有不動産記録証明書の交付請求及び受領に関する一切の件」といったように、何を依頼するのかを具体的に記載します。
  • 作成年月日

そして、最も重要な注意点が押印です。この委任状には、委任者ご本人の実印を押印し、印鑑証明書(発行後3ヶ月以内などの期限はありません)を添付する必要があります。認印では手続きができませんので、ご注意ください。

証明書取得はゴールじゃない!次に行うべき2つのこと

無事に所有不動産記録証明書を取得できたとしても、それで相続手続きが終わったわけではありません。むしろ、ここからが本番です。証明書の取得は、あくまで相続財産を確定させるための第一歩に過ぎません。

次に行うべきことは、大きく分けて2つあります。

  1. 証明書の内容を基に財産目録を作成する
    証明書に記載された不動産の情報(所在、地番、家屋番号など)を正確にリストアップし、預貯金や有価証券など他の財産と合わせて「財産目録」を作成します。これにより、相続財産全体の状況が明確になります。
  2. 判明した不動産について相続登記を申請する
    判明した不動産を誰が相続するのかを遺産分割協議で決定し、法務局に名義変更の申請(相続登記)を行います。2024年4月1日から相続登記の義務化がスタートしており、相続の開始を知った時から3年以内に申請しないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。

所有不動産記録証明書の請求から、その後の相続登記まで、一連の手続きには専門的な知識が求められる場面が少なくありません。もし手続きの進め方で少しでもご不安な点があれば、一人で抱え込まず、ぜひ専門家にご相談ください。

相続手続きや登記申請でお困りですか?お気軽にご相談ください

財産管理制度

2025-01-29
財産管理制度

今回から5回にわたり、民法が定めている4つの財産管理人制度を紹介し、各財産管理人の比較や事例の検討を通じて各財産管理人の適切な選択について述べていきたいと思います。

具体的には「相続財産管理制度(民法897条の2)」「相続財産清算人(民法951条・952条)」「所有者不明土地建物管理人(民法246条の2)」「管理不全土地建物管理人(民法264条の9)」の財産管理人制度についてです。

今回は各制度の全体像を俯瞰するため、これらの財産管理制度の趣旨及び相違点をまとめたいと思います。

まず、これらの4つの財産管理制度は不動産登記簿により所有者が直ちに判明せず、又は判明しても連絡がつかない所有者不明土地が生じ、土地の利用が阻害されるなどの問題が生じていることから、所有者不明土地を円滑かつ適正に利用するため民法等の法改正(制定)により作られた制度です。(非常に堅苦しい説明ですが、要するに所有者が不明になった土地・建物を売却等の処分をして再利用するための制度とご理解ください)。

そして、今回は各財産管理人の詳細を説明する前に、以下の表により全体像を紹介し、大まかなイメージを持っていただきたいと思います。

【全体像】

項目 ➀相続財産管理人 ➁相続財産清算人 ③所有者不明土地建物管理人 ➃管理不全土地建物管理人
根拠条文(民法) 897の2 951・952 246の2 246の9
財産の範囲 被相続人の財産全般 被相続人の財産全般 所有者不明土地建物等 管理不全土地建物等
所有者の権限 – × 制限あり 制限なし
管轄裁判所 家庭裁判所 家庭裁判所 地方裁判所 地方裁判所

 

➀ 相続財産管理人:遺産分割前の相続財産について、共同相続人が相続財産管理に関心がない場合に、管理人が、必要な保存行為などをする制度です。また相続人のあることが明らかでない場合に、相続財産の清算を目的としない相続財産管理人の選任を可能とすることで、清算を目的としない相続財産の保存を可能とした制度でもあります。例えば遺産分割前の相続財産である建物の腐敗が進んでいる場合に修繕などをする管理人をイメージして下さい。

➁ 相続財産清算人:相続人の存在が明らかでない場合、相続人がいないことが明らかな場合に相続財産を売却等して清算する制度です。

【相続財産管理人と相続財産清算人の比較図】

相続財産管理人と相続財産清算人の比較図

③ 所在不明土地建物管理人:所有者不明の土地及び所有者不明の建物について、申立てにより裁判所で選任された管理人が保存行為などの管理を行う制度です。相続財産清算人の制度が被相続人の相続財産全般を対象とする制度にあるのに対し、所在不明土地建物管理人制度は特定の所在不明土地・建物を対象とする制度であることが大きな違いです。

【相続財産清算人と所有者不明土地建物管理人の比較図】

➃ 管理不全土地建物管理人:例えば隣地の草木が繁茂するなどして被害を及ぼしている場合や継続的にゴミの不法投棄が行われ被害を及ぼしてる場合のように、継続的に排除事由が発生してる場合に裁判所が選任する管理人に直接的な管理を行わせる制度です。旧法下で認められていた所有権に基づく妨害排除請求権のみでは解決が困難な継続的な妨害発生事案に対処する制度です。

以上、今回は、➀相続財産管理人➁相続財産清算人③所有者不明土地建物管理人➃管理不全土地建物管理人の民法上の財産管理人制度の概観を説明しました。                        

次回からは、各々制度の詳細について説明するとともに、当事務所で提供する申立書の作成及び関連する登記についてもご説明させていただきます。

ご相談時に確認すること

2025-01-18

 昨年は、多くのお客様に相続登記や会社・法人の登記のお問い合わせをいただきました。大変有難うございました。

 今年もいただける多くのご相談について、予めお客様の方でご準備いただきたいことをお知らせさせていただきます。

 まず、相続登記については、下記の事項をお伺いいたしますので、ご確認ご準備をお願い致します。

・被相続人(亡くなられた方)の住所、氏名及び本籍地

・全ての相続人の住所、氏名及び本籍地

・相続対象の不動産の住所及び相続する名義人

・その他の相続財産(預貯金等)の有無及び相続する名義人

・遺言の有無

次に、会社・法人の登記については、ご依頼される登記の種類にもよりますが、

・会社名および本店の住所

・定款のPDFによる提供

ご相談時には予めご準備いただけると大変助かります。

よろしくお願いいたします。

新年あけましておめでとうございます。

2025-01-04

本日から2025年のえなみ司法書士事務所をスタートいたします。

今年もよろしくお願い致します。

年末年始は、実家の広島に帰省し、父母や親せきの顔を見ることができ、各々が各々の人生を進んでいることを確認することができました。

私も「えなみ司法書士事務所」と共に今年も前進させていただきます。

何卒よろしくお願い申し上げます。

年末年始予定のお知らせ

2024-12-30

当事務所の年末年始の予定は下記の通りです。

2024年12月31日から2025年1月3日まで休みとさせていただきます。

年始は2025年1月4日からとさせていただきます。

今年は多くのお客様に当事務所を御贔屓いただき大変感謝しております。                   

お客様にお褒めいただいた点は自信にし、ご指摘いただいた点は謙虚に受け止め成長の糧にし、

一歩一歩前進してまいります。

来年も御愛顧賜りますようお願い申し上げます。

司法書士 榎並慶太

事務所移転

2024-06-04

 約1か月ぶりに記事を書きます。突然ですが、当事務所は6月1日をもって新横浜から横浜(横浜駅徒歩8分)に移転しました。

新横浜での活動は約2年に過ぎませんでしたが、新横浜の会社様や港北区お住いの皆様からのご依頼には本当に感謝しております。横浜に事務所が移ってもお付き合いを続けていただければ幸いです。

これからは横浜全体を視野に皆様の会社、相続等の登記手続きにさらに尽力させていただきます。

宜しくお願い申し上げます。

GW明けました。

2024-05-07

皆様お疲れ様です。

GWはいかが過ごしましたでしょうか?

私は、家族で5月3日、4日と嫁の実家に帰省しました。

義理のお父さん、お母さんに喜んでいただきました。

仕事でもお客様に喜んでいただくよう頑張ります。

相続、会社・法人登記ご相談何時でも受付けております。

宜しくお願い致します!

GW期間中の営業について

2024-04-28

皆様、GW期間中はいかがお過ごしでしょうか?

当事務所は、GW期間中は、5月3日、4日以外の日営業しております。

相続のご相談、会社・法人登記のご相談受付けております。

費用のご相談、手続き内容のご相談等どんなご相談にも応じます。

お気軽にご相談ください。

よろしくお願い申し上げます。

税理士先生様へ

2024-04-11

 お久しぶりです。約8ヵ月ぶりの記事の投稿となります。ホームページの改良のため投稿は控えておりました。これからは、時間を見つけ投稿をしていきます。

 久しぶりの記事は、税理士先生様へのお知らせです。今週末から税理士先生様へ挨拶状を送らせていただいております。会社・法人登記や相続登記から税理士先生のサポートが出来ればと思っております。えなみ事務所に興味を持っていただければ幸いです。何時でもご連絡下さい。お待ちしております。

« Older Entries

keyboard_arrow_up

0452987602 問い合わせバナー 専門家による無料相談