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特例有限会社から株式会社へ!複数登記の同時申請は可能?
「事業も軌道に乗ってきたし、対外的な信用力を高めるために、特例有限会社から株式会社に移行したい」「どうせ手続きするなら、このタイミングで事業目的の追加や役員の変更、オフィスの移転も一気に済ませてしまいたい」
会社のステップアップを考える経営者の方なら、このように考えるのはとても自然なことです。しかし、いざ手続きを進めようとすると、登記の複雑さに頭を悩ませてしまうのではないでしょうか。
「そもそも、全部まとめて申請できるの?」「書類は何を準備すればいいんだろう…」「費用は一体いくらかかるのか…」
ご安心ください。この記事では、そんなあなたの疑問や不安を一つひとつ丁寧に解消していきます。特例有限会社から株式会社への移行と、その他の変更登記を同時に行うための具体的な手順、費用、そして注意点を、商業登記の専門家である司法書士が分かりやすくガイドします。この記事を最後まで読めば、手続きの全体像がクリアになり、自信を持って次の一歩を踏み出せるはずです。
会社の登記に関する全体像については、商業登記全体像 ~これから会社を始める経営者の皆様へ~で体系的に解説しています。
結論:目的変更・役員変更は可能、本店移転は注意が必要
早速、皆さんが一番知りたい結論からお伝えします。特例有限会社から株式会社への移行登記と同時に即ち同一の申請書において事業目的の変更や役員の変更登記を申請することは「可能」です。
しかし、「本店移転」の登記は、移転先が管轄登記所の外に及ぶ場合など、同一の申請書で申請できない(別申請が必要になる)ケースがあるため注意が必要です。但し、特例有限会社の商号変更登記と特例有限会社の解散登記と本店移転登記を3連件の連件申請をすることは可能であり、実務上よく行われております。
なぜなら、株式会社への移行は、法務局で「特例有限会社の解散登記」と「株式会社の設立登記」が同時に行われる特殊な手続きだからです。もし、この設立登記と同時に本店移転登記を申請してしまうと、登記記録の連続性がうまく繋がらず、手続きがストップしてしまう可能性があるのです。
正しい手順は、まず株式会社への移行登記を完了させ、その後に新しい株式会社として本店移転の登記を申請する、という流れになります。このポイントを知っておくだけで、手続きのつまずきを一つ回避できますよ。
なぜ株式会社へ?移行のメリット・デメリットを再確認
具体的な手続きに入る前に、一度立ち止まって「なぜ株式会社へ移行するのか」を再確認してみましょう。この移行は、あなたの会社にとって本当に最適な選択でしょうか?ここでは、メリットとデメリットを比較検討し、後悔のない意思決定をサポートします。
メリット:社会的信用の向上と経営の柔軟性
株式会社へ移行する最大のメリットは、やはり「社会的信用の向上」です。現在、新たに有限会社を設立することはできないため、「有限会社」という名称だけでは、小規模なイメージや古いイメージを持たれてしまうことがあるかもしれません。
「株式会社」という商号になることで、取引先や金融機関からの見え方が変わり、ビジネスチャンスが広がる可能性があります。また、採用活動においても、求職者に対してより安定した企業イメージを与えられるでしょう。
さらに、取締役会や監査役といった機関を設置できるようになり、会社の規模や成長フェーズに合わせた、より柔軟な経営体制を構築できるのも大きな魅力です。
デメリット:役員任期と決算公告の義務化
一方で、株式会社化には新たな義務も伴います。特に大きな変化は「役員の任期」が設定されることです。特例有限会社では役員に任期がありませんでしたが、株式会社では最長でも10年となり、任期が満了するたびに役員変更の登記が必要になります。たとえ同じ人が再任(重任)する場合でも登記は必須で、その都度、登録免許税(1万円または3万円)と司法書士への報酬が発生します。
この定期的な役員変更登記を怠ると、過料(罰金)の対象となる可能性もあるため注意が必要です。
また、株式会社には毎年の「決算公告」が義務付けられます。官報や日刊新聞紙、あるいは自社のウェブサイトで貸借対照表などを公開する必要があり、これにも手間とコストがかかります。これらの負担を理解した上で、移行の判断をすることが大切です。
行政手続きと並行して、銀行口座の名義変更、名刺やウェブサイト、契約書などの商号変更も忘れずに行いましょう。また、支店がある場合は、そちらの手続きも必要になるケースがあります。
費用はいくら?同時申請で登録免許税は節約できる!
経営者の方にとって、費用は非常に重要なポイントですよね。ここでは、登記にかかる費用を「登録免許税」と「司法書士報酬」に分けて、具体的に見ていきましょう。特に、同時申請がもたらす節約効果は必見です。

登録免許税の内訳:設立・解散・その他変更
株式会社への移行登記には、まず基本となる登録免許税がかかります。
- 株式会社の設立登記:3万円(資本金の額×1000分の1.5で計算し、3万円未満は3万円)
- 特例有限会社の解散登記:3万円
つまり、最低でも合計6万円の登録免許税が必要です。
ここからが重要なポイントです。もし、事業目的の変更や役員の変更を単独で申請すれば、それぞれ以下の登録免許税が別途かかります。
- 事業目的の変更登記:3万円
- 役員の変更登記:1万円(資本金1億円以下の場合)
ただし、これらを株式会社への移行登記と同時に申請することで、目的変更・役員変更について別途の登録免許税が不要となるケースがあります。(設立登記で定める内容として申請するためです。)つまり、目的変更と役員変更を同時に行う場合、最大で4万円もの登録免許税が節約できることになります。これは同時申請の最大のメリットと言えるでしょう。
司法書士への依頼費用と報酬の目安
これらの複雑な手続きを専門家である司法書士に依頼する場合、別途報酬が必要になります。株式会社への移行登記と、目的変更や役員変更などを同時に依頼した場合の司法書士報酬の目安は、おおよそ8万円~15万円程度が一般的です。
もちろん、会社の規模や変更内容の複雑さ、依頼する事務所によって費用は変動しますので、あくまで参考としてお考えください。事前に見積もりを取得し、サービス内容と費用に納得した上で依頼することが大切です。
手続きは複雑…司法書士に相談すべきケースとは?
ここまで読んでみて、「思ったより大変そうだな…」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。ご自身で手続きを行うか、専門家に任せるか、どちらが良いのでしょうか。最後に、司法書士への相談を検討すべきケースについてお話しします。
時間の節約と正確性を求めるなら専門家へ
以下のような方は、司法書士への依頼を積極的に検討することをおすすめします。
- 本業が忙しく、手続きに時間を割く余裕がない方
- 株主総会議事録や定款などの書類作成に不安がある方
- 法的な要件を正確に満たし、ミスなく一度で手続きを完了させたい方
- 複数の登記を同時に申請する複雑な手続きに、少しでも不安を感じる方
専門家に依頼することで、貴重な時間を節約できるだけでなく、法的な正確性が担保され、何より「これで大丈夫だろうか」という精神的なストレスから解放されます。経営者が本来集中すべき事業に専念するためにも、専門家の活用は有効な経営判断の一つです。
えなみ司法書士事務所のサポート内容と無料相談のご案内
えなみ司法書士事務所では、特例有限会社から株式会社への移行手続きを全面的にサポートしています。
株主総会の運営に関するアドバイスから、議事録や新しい定款の作成、法務局への登記申請代行、そして完了後の各種届出に関するご案内まで、一連の手続きをワンストップでお手伝いいたします。特に、今回テーマとなっている「複数の登記の同時申請」のような、少し複雑な案件を得意としておりますので、安心してお任せください。
「うちの会社の場合は、具体的にどう進めればいい?」「費用は総額でいくらになる?」など、あなたの会社が抱える個別の状況や疑問について、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。専門家が丁寧にお話を伺い、最適なプランをご提案いたします。

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