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隣の家の木の枝が伸びてきた。切取ってもいい?(新民法)

2023-05-04

ゴールデンウイーク真っ只中です。旅行を楽しんでいる方もいらっしゃるでしょう。混雑を避け家でまったり日頃できなかった庭掃除などをされている方もいらっしゃるでしょう。そんな方のために今年の4月施行の新民法の「越境した竹木の枝の切取り」の制度をご紹介します。

 旧民法(233条)では、土地の所有者は、隣地の竹木の根が境界線を越えるときは自らその根を切り取ることができるが、枝が境界線を越えるときはその竹木の所有者に枝を切除させるよう請求できるにとどまっておりました。

 このような根と枝の取り扱いの違いは民法の七不思議の一つとされ、受験時代意味も分からず暗記をしました(本試験にも出題されました)。そればかりか竹木の所有者が枝を切除しない場合には、訴えを提起し切除を命ずる判決を得て強制執行の手続きを取る他なく、土地の所有者には過重な負担を強いる問題がありました。

 そこで、新民法は越境された土地の所有者、竹木の枝を切除させる必要があるという原則を維持しつつ、次のいずれかの場合には、枝を自ら切取ることができることとしました(223条Ⅲ項)。

①竹木の所有者に越境した枝を切除するよう催告したが竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき                                               ②竹木の所有者知ることができず、又はその所在を知ることができないとき              ③急迫の事情があるとき 

 ただ、法律の世界は自力救済が禁止され、相手に法的な請求をする場合は裁判所に訴えを提起し、判決を得て執行することが大原則です。この制度はこの自力救済禁止の原則に例外を認める制度です。なので①~③の要件を充たしているか、枝が本当に境界線を越えているか(境界線に争いがないか)を慎重に判断をする必要があると思います。                                尚、越境された土地所有者が自ら枝を切り取る場合の費用については、枝が越境して土地所有権を侵害していることや、土地所有者が枝を切り取ることにより竹木の所有者が本来負っている枝の切除義務を免れることを踏まえ、基本的には、竹木の所有者に請求できると考えられているようです(民法703条、709条)。 

 

        

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