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ご家族のことでお悩みではありませんか?成年後見制度の判断は慎重に
※本記事は、えなみ司法書士事務所による成年後見等に関する情報提供(広告・PRを含みます)です。制度の適用可否は個別事情で異なるため、詳細は専門家・関係機関へご確認ください。
「最近、親の物忘れがひどくて心配…」「銀行窓口で、本人でないと預金が引き出せないと言われてしまった」「介護施設に入所したいのに、契約手続きが本人でないと進められない」
大切なご家族の判断能力に不安を感じ始めると、このような切実な問題に直面することがあります。どうすればいいのか分からず、インターネットで調べて「成年後見制度」という言葉にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
しかし、制度について調べれば調べるほど、「一度始めるとやめられない」「費用がかかり続ける」「財産の使い道が制限される」といったデメリットばかりが目につき、かえって不安が大きくなってしまう…。そんな悪循環に陥っていませんか?
この記事は、まさにそのようなお悩みと不安を抱えるあなたのために書きました。成年後見制度は、ご家族の財産と生活を守るための強力な仕組みですが、万能ではありません。ご家庭の状況によっては、別の方法が最適な選択となることもあります。
この記事を最後までお読みいただければ、成年後見制度を利用すべきかどうかの判断基準が明確になり、あなたのご家族にとって最善の選択肢は何か、その道しるべを見つけることができるはずです。
まずは現状を整理しよう-成年後見制度を検討するかの判断基準
成年後見制度を検討する最初のステップは、「ご自身の家族が今、どのような状況にあるのか」を客観的に把握することです。感情的になったり、焦ったりする気持ちは一旦横に置いて、以下のチェックリストで現状を整理してみましょう
【セルフチェック】成年後見人の選任が必要な可能性が高いケース
以下の項目に一つでも当てはまる場合、成年後見制度の利用を積極的に検討する必要があるかもしれません。これらの状況は、放置してしまうとご家族が経済的な不利益を被ったり、生活に支障が出たりする可能性が高いからです。
- 預貯金が凍結され、医療費や介護費の支払いに困っている
金融機関は、口座名義人の判断能力低下を把握すると、詐欺被害などを防ぐために口座を凍結することがあります。こうなると、たとえ家族であっても預金を引き出すことはできません。成年後見人には、ご本人に代わって預貯金の管理や払い戻しを行う法的な権限(代理権)があるため、この問題を解決できます。 - 不要な高額商品を繰り返し購入してしまうなど、悪質な訪問販売の被害にあっている
判断能力が不十分な状態で行った契約は、後から取り消せる場合があります。成年後見制度では、本人の判断能力が不十分な状態で行った契約について、後見人が取消しを主張できる場合があります(取消権)。※契約類型によっては、成年後見制度以外にも取消し・解除が認められる制度があります。 - ご本人が所有する不動産の売却や、施設の入所契約を進めたい
不動産の売買契約や、介護施設の入所契約といった重要な法律行為は、ご本人の明確な意思確認ができないと進めることができません。成年後見人がいれば、ご本人に代わってこれらの契約手続きを法的に有効に進めることが可能になります。 - 相続が発生したが、相続人の一人であるご本人の意思確認ができず、遺産分割協議が進まない
遺産分割協議は、相続人全員の合意が必要です。相続人の一人に判断能力が不十分な方がいる場合、その方が署名・押印した協議書は法的に無効となる可能性があります。この場合、家庭裁判所に成年後見人の選任を申し立て、後見人がご本人に代わって協議に参加する必要があります。
【要注意】選任を慎重に検討すべき・不要かもしれないケース
一方で、以下のようなケースでは、成年後見制度の利用が必ずしも最適な解決策とは限りません。制度の厳格さが、かえってご家族の希望を妨げてしまう可能性もあるため、慎重な検討が必要です。
- 財産が公的年金と、日常生活費程度の預貯金のみである
ご本人の財産が少なく、日々の金銭管理をご家族が問題なく行えている場合、費用や手間をかけてまで後見制度を利用する実益は小さいかもしれません。 - 将来の相続税対策として、生前贈与や不動産の有効活用を考えている
成年後見制度の第一目的は「ご本人の財産を厳格に保護すること」です。そのため、相続税対策のための生前贈与や、収益化を目的とした積極的な資産運用(アパート建築など)は、ご本人の財産を減らす行為とみなされ、家庭裁判所から許可されない可能性が非常に高いです。 - ご家族の間で、財産の管理方針について意見が対立している
「施設に入所させたい」「いや、在宅で介護すべきだ」など、ご家族の間で意見が割れている場合、後見人の選任申立てが親族間の対立をさらに深めてしまうことがあります。また、家庭裁判所が親族間の対立を懸念し、候補者として挙げた親族ではなく、中立的な立場の専門家(司法書士や弁護士)を後見人に選任するケースも少なくありません。
成年後見制度のメリットと、知っておくべき6つのデメリット
制度を利用するかどうかを最終的に判断するためには、メリットとデメリットの両方を正しく理解しておくことが不可欠です。ここでは、それぞれの側面を詳しく見ていきましょう。
メリット:大切な家族の財産と生活を守るための強力な仕組み
成年後見制度の最大のメリットは、法律に基づいた強力な権限によって、ご本人の財産と生活を包括的に守れる点にあります。
- 確実な財産管理と保全
後見人は、預貯金の管理、不動産の管理、年金の受領などを一括して行います。すべての収支は家庭裁判所に報告する義務があるため、透明性が高く、財産の不正利用を防ぐことができます。 - 不利益な契約からの保護(取消権)
前述の通り、ご本人が悪徳商法などで結んでしまった不利益な契約を、後から取り消すことができます。成年後見制度では、本人の判断能力が不十分な状態で行った契約について、後見人が取消しを主張できる場合があります(取消権)。※契約類型によっては、成年後見制度以外にも取消し・解除が認められる制度があります。 - 必要な契約手続きの代行(代理権)
介護サービスの利用契約、入院手続き、要介護認定の申請など、ご本人の生活に必要な様々な手続きをスムーズに進めることができます。これにより、ご家族の負担も大きく軽減されます。
デメリット:知らずに始めると後悔する6つの注意点
一方で、成年後見制度には知っておかなければならない注意点も多く存在します。これらは制度の目的が「本人の財産保護」を最優先に設計されているために生じるものです。
- 継続的な費用がかかる
申立て時に数万円程度の実費がかかるほか、司法書士などの専門家が後見人に選任された場合、家庭裁判所が事務内容や財産額等を踏まえて報酬を決定し、本人財産から支払われます(目安として月額2万~6万円程度とされることがあります)。親族後見では報酬を申立てない(結果として0円となる)場合もあります。支払いは、後見が終了するまで(多くは本人死亡までですが、判断能力の回復等で終了する場合もあります)継続します。 - 申立ての手続きに手間と時間がかかる
申立てには、戸籍謄本や財産目録、診断書など多くの書類が必要です。申立てから後見が開始されるまで、一般的に2~3ヶ月程度の時間がかかります。 - 財産の柔軟な活用ができない
相続税対策の生前贈与や、株式投資、収益不動産の購入といった積極的な資産活用は、本人の財産を減らすリスクがあるため、原則として認められません。 - 親族が後見人になれるとは限らない
申立ての際に親族を後見人の候補者として希望しても、財産額が大きい場合や親族間に争いがある場合などは、家庭裁判所の判断で中立的な専門家が選任されることがあります。 - 一度始めると、原則として途中でやめられない
成年後見制度は、ご本人の判断能力が回復しない限り、ご本人が亡くなるまで続きます。「財産活用のために一時的にやめたい」といったことは認められません。 - 家庭裁判所への報告義務など、負担が大きい
親族が後見人になった場合でも、定期的に家庭裁判所へ財産目録や収支状況を報告する義務があり、事務的な負担は決して軽くありません。
成年後見制度を使わないという選択肢|家族信託・任意後見という代替策
「成年後見制度は、うちのケースには合わないかもしれない…」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。ご安心ください。ご本人の判断能力がまだしっかりしているうちであれば、他の選択肢を検討することが可能です。ここでは代表的な2つの代替策をご紹介します。
柔軟な財産管理・承継を実現する「家族信託」
家族信託とは、ご本人が元気なうちに、信頼できるご家族(受託者)に財産の管理や処分を託す契約のことです。成年後見制度のデメリットである「財産の柔軟な活用ができない」点をカバーできるのが大きな特徴です。
- 特徴:契約内容をオーダーメイドで自由に設計できます。例えば、「アパート経営を長男に任せる」「自宅を売却して、その資金で施設費用を支払う」「自分が亡くなった後は、財産を妻に、妻が亡くなった後は孫に渡す」といった、資産の活用から承継までを指定できます。
- 注意点:あくまで財産管理の仕組みであり、成年後見人のような「取消権」はありません。また、契約を結ぶためには、ご本人に十分な判断能力があることが大前提となります。
将来の後見人を自分で決めておく「任意後見制度」
任意後見制度とは、ご本人が元気なうちに、将来自分の判断能力が低下したときに備えて、あらかじめ後見人になってもらう人(任意後見人)と、その人に任せる仕事の内容を公正証書で決めておく制度です。
- 特徴:法定後見と違い、「誰に」「何を」お願いするかを自分で決められるのが最大のメリットです。信頼できるご家族や専門家を、ご自身の意思で将来の後見人として指名できます。
- 注意点:実際に効力が発生するのは、ご本人の判断能力が低下し、家庭裁判所が「任意後見監督人」を選任してからです。任意後見監督人(多くは司法書士などの専門家)への報酬が継続的に発生します。
【比較表】成年後見・任意後見・家族信託、あなたに合うのは?
ここまでご紹介した3つの制度について、それぞれの特徴を一覧表にまとめました。ご自身の状況と照らし合わせて、どの方法が最も適しているか検討する際の参考にしてください。
| 法定後見 | 任意後見 | 家族信託 | |
|---|---|---|---|
| 開始時期 | 判断能力の低下後 | 判断能力があるうち(契約時) | 判断能力があるうち(契約時) |
| 目的 | 本人の財産保護・身上監護 | 本人の意思に基づいた財産管理・身上監護 | 柔軟な財産管理・承継 |
| 財産管理の柔軟性 | 低い(厳格な保護) | 契約の範囲内 | 高い(契約次第) |
| 身上監護 | 可能 | 可能 | 不可 |
| 取消権 | あり | なし | なし |
| 裁判所の関与 | 常に関与(監督) | 関与(監督人の選任・監督) | 原則なし |
| 費用 | 申立費用+継続的な専門家報酬 | 契約費用+継続的な監督人報酬 | 契約費用(初期費用が中心) |
どの選択をすべきか迷ったら、司法書士へご相談ください
ここまで、成年後見制度の判断基準や代替策について解説してきましたが、「うちの家族の場合は、結局どれが一番いいのだろう…」と、さらに迷いが深まってしまった方もいらっしゃるかもしれません。それも当然のことです。ご家族の状況は一つとして同じものはなく、最適な解決策もそれぞれ異なります。
そんな時こそ、私たち司法書士のような専門家にご相談ください。専門家にご相談いただくことで、以下のようなメリットがあります。
- 現状の法的な問題点が明確になる
お話を伺うことで、ご家族が抱える問題の本質を法的な観点から整理し、今何をすべきかを明確にします。 - ご家族の状況に合った最適な解決策の提案が受けられる
成年後見制度、家族信託、任意後見など、様々な選択肢の中から、ご家族のご希望や財産状況に最も合ったプランをご提案します。 - 複雑な手続きを安心して任せられる
どの手続きを選択するにしても、専門的な書類の作成や役所とのやり取りが必要です。必要書類の作成支援や申立て準備、関係機関とのやり取り等をサポートすることで、ご家族の精神的・時間的負担の軽減につながります(※手続の性質上、ご本人・ご家族にご準備・ご協力いただく事項があります)。
えなみ司法書士事務所では、ご自宅などご指定の場所への無料訪問相談(横浜市・川崎市内に限る/要予約)を実施しております。また、お仕事でお忙しい方でもご相談いただきやすいよう、平日・土日祝日問わず21時まで対応しております。
一人で抱え込まず、まずはお話をお聞かせください。あなたとご家族が安心して未来へ進むための一歩を、私たちが全力でサポートいたします。

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