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【2026年義務化】不動産の住所・氏名変更登記、あなたはどうする?
「そういえば、昔買ったマンションの登記、引っ越し前の住所のままだ…」「結婚して名字は変わったけど、実家の土地の名義はどうなってるんだろう?」
2026年4月1日から、不動産の所有者の住所や氏名の変更登記が義務化されるというニュースを見て、このようにハッとされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。ご自身の不動産について、「何か手続きをしないといけないらしいけど、具体的に何をすればいいのかわからない…」と、漠然とした不安を感じているかもしれませんね。
ご安心ください。今回の法改正では、手続きの負担を軽くするための新しい制度「検索用情報の申出(けんさくようじょうほうのもうしで)」も同時にスタートします。
この記事では、司法書士である私が、
- 新しい「検索用情報の申出」とはどんな制度なのか
- 従来の「住所変更登記」とどちらを選ぶべきか
- それぞれの手続きの流れや注意点
といった点を、できるだけ分かりやすく解説していきます。この記事を最後までお読みいただければ、あなたが今どちらの手続きを選ぶべきかが明確になり、法改正への不安を解消できるはずです。私たち専門家が、あなたの状況に合わせた最適な一歩を一緒に見つけていきますので、どうぞリラックスしてお読みください。
新制度「検索用情報の申出」とは?5分でわかる基本
「検索用情報の申出」は、住所変更登記の義務化に伴う皆さまの負担を減らすために作られた、まったく新しい仕組みです。一言でいうと、「住民基本台帳ネットワーク等の情報と照合して、将来住所等が変更された際に法務局が職権で変更登記を行うことを可能にするための事前申出」のことです。変更が確認された場合は法務局が所有者に確認(メール等)を行い、所定の手続により職権で登記が行われます。この制度は、令和7年(2025年)4月21日から開始されました。
これまでのように、引っ越しのたびに法務局で手続きをする必要がなくなる、画期的な制度といえるでしょう。

検索用情報の申出のメリット:手間と費用を大幅カット
この新制度には、従来の住所変更登記と比べて大きなメリットがあります。特に、手間と費用の面でその違いは明らかです。
- メリット①:登録免許税が不要
従来の住所変更登記では、不動産1つにつき1,000円の登録免許税という税金が必要でした。土地と建物なら2,000円です。しかし、「検索用情報の申出」では、この登録免許税が一切かかりません。 - メリット②:一度申し出れば、将来の手続きが不要に
一度この申出をしておけば、その後何度引っ越しをしても、その都度ご自身で手続きをする必要がなくなります。法務局が住基ネット等を照会して住所等の変更を確認した場合、届出のメール等による確認手続を経て、所定の条件の下で登記官が職権で変更登記を行える仕組み(職権登記)です。 - メリット③:オンラインで手続きが完結できる
法務局の窓口に行ったり、郵送したりすることなく、ご自宅のパソコンやスマートフォンからオンラインで手続きを完結させることができます。時間や場所を選ばずに申請できるのは大きな利点です。
申出に必要な情報と手続きの流れ
手続きはとてもシンプルです。以下の情報を準備して、オンラインまたはお近くの法務局の窓口・郵送で申し出るだけです。
【申出に必要な情報】
- 不動産所有者の氏名(フリガナ)
- 不動産所有者の現在の住所
- 不動産所有者の生年月日
- 連絡先となるメールアドレス等
- (可能であれば)マイナンバーカード等に含まれる「本人確認情報」
従来の登記手続きのように、住民票や戸籍の附票といった公的な証明書を集める必要がないため、準備の手間が格段に少なくなります。
司法書士に依頼する場合の費用【報酬5,000円~】
「オンライン手続きは少し苦手…」「自分でやるのは何となく不安」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。もちろん、この「検索用情報の申出」も私たち司法書士にお任せいただけます。
当事務所では、5,000円(税別)からこの手続きを代行しております。この新制度は始まったばかりですが、法改正に関心が高いお客様から、既に当事務所にもご依頼を承っております。ご自身で時間をかけて調べる手間や、慣れない手続きへのストレスを考えれば、専門家に任せてしまうのも一つの賢い選択です。費用についても、事前に総額を明確にお見積りいたしますので、どうぞご安心ください。(えなみ司法書士事務所 代表 榎並慶太/神奈川県司法書士会所属/所在地:〒220-0004 横浜市西区北幸1丁目11番1号 水信ビル7階)
参考:検索用情報の申出について(職権による住所等変更登記関係)
あなたはどっち?状況別・最適な手続きの選び方
「検索用情報の申出」がとても便利な制度であることはお分かりいただけたかと思います。では、誰もがこの新制度を選べば良いのでしょうか?実は、状況によっては、これまで通り「住所変更登記」を今すぐ行った方が良いケースもあります。
ここでは、あなたがどちらの手続きを選ぶべきか、具体的な状況に合わせてご案内します。
| 項目 | 検索用情報の申出 | 従来の住所変更登記 |
|---|---|---|
| 目的 | 将来の住所変更に備える | 現在の登記情報を正確に直す |
| 登録免許税 | 不要 | 不動産1つにつき1,000円 |
| 必要書類 | 原則不要(本人確認情報のみ) | 住民票、戸籍の附票など |
| 反映時期 | 将来、住所変更があった際に職権で | 申請後、約1~2週間 |
「検索用情報の申出」がおすすめな人
以下のような方には、手間と費用を抑えられる「検索用情報の申出」がおすすめです。
- すぐに不動産を売ったり、担保に入れたりする予定がない方
登記情報をすぐに最新の状態にする必要がない場合は、この申出で将来に備えておけば十分です。 - 手続きはとにかく簡単に、費用をかけずに済ませたい方
登録免許税がかからず、オンラインで完結できるこの制度は、最も手軽な選択肢です。 - 今後も転勤などで引っ越す可能性がある方
一度申し出ておけば、将来の住所変更のたびに手続きをする手間から解放されます。
今すぐ「住所変更登記」をすべき人
一方で、次のような状況にある方は、新しい申出制度を待つのではなく、速やかに従来の「住所変更登記」を行うことを強くおすすめします。
- 近いうちに不動産の売却を考えている方
不動産を売却する際、登記簿上の住所と現在の住所が異なっていると、本人確認ができず、原則として売却手続きを進められません。売却の前段階として、住所変更登記は必須となります。 - その不動産を担保にローンを組む予定(抵当権設定)がある方
銀行などから融資を受ける際も同様です。抵当権を設定する登記の前提として、所有者の登記情報は現在の内容と一致している必要があります。 - 銀行などのローンを完済し、抵当権を抹消する方 住宅ローンを完済し、抵当権抹消する場合も、抵当権抹消登記の前提として、現在の住所に変更するための住所変更登記が必要となります。
要するに、「登記簿をすぐに最新の状態にする必要があるかどうか」が、判断の大きな分かれ目となります。

従来の住所変更登記:必要書類と注意点
「自分の場合は、今すぐ住所変更登記が必要そうだ」と判断された方のために、具体的な手続きと、特に注意すべき点について解説します。
ご自身で手続きすることも可能ですが、特に複数回の転居を経験されている方は、必要書類の収集でつまずいてしまうケースが少なくありません。
基本の必要書類:住民票または戸籍の附票
住所の変更を証明する書類として、以下のいずれかが必要になります。
- 住民票
登記簿上の住所から現在の住所まで、1回の引っ越しでつながる場合に利用します。市区町村の役所で取得できます。 - 戸籍の附票(こせきのふひょう)
複数回の引っ越しを経験されている場合は、これまでの住所の履歴がすべて記載された「戸籍の附票」が必要となります。これは、本籍地のある市区町村で取得します。現在の住所地の役所では取れませんのでご注意ください。
結婚などで氏名も変更されている場合は、その経緯がわかる戸籍謄本も必要になります。
【要注意】住所のつながりが証明できない場合の対処法
最も手続きが複雑になるのが、この「住所のつながりが証明できない」ケースです。
例えば、何度も引っ越しや本籍地の変更(転籍)を繰り返していると、戸籍の附票を取得しても、登記簿上の古い住所から現在の住所までのすべての履歴が載っていないことがあります。これは、市区町村での書類の保存期間が法律で定められており、古い記録は廃棄されてしまうことがあるためです(現在は150年ですが、以前はわずか5年でした)。
このように公的な書類で住所の変遷を証明できない場合、
- 不動産を取得した際の登記済権利証(いわゆる権利書)
- 「登記簿上の人物と自分は同一人物です」という内容の上申書(実印の押印と印鑑証明書を添付)
といった、別の書類を法務局に提出する必要があります。このようなケースでは、法務局との事前協議も必要となり、専門的な知識が不可欠です。もし戸籍の附票などを取得してみて「あれ、住所がつながらないぞ?」と思ったら、無理にご自身で進めようとせず、速やかに私たち司法書士にご相談いただくのが最善の道です。

手続きの不安は専門家へ。えなみ司法書士事務所がサポートします
2026年4月からの住所変更登記の義務化と、新しい「検索用情報の申出」制度について解説してきましたが、ご自身のやるべきことは見えてきましたでしょうか。
法改正への対応と聞くと、少し難しく感じてしまうかもしれません。しかし、どちらの手続きを選ぶべきか、どんな書類が必要かといった疑問は、専門家にご相談いただければすぐに解決できます。
えなみ司法書士事務所は、横浜市・川崎市にお住まいの皆さまの「いつでも相談できる」パートナーでありたいと考えています。不動産登記に関するご不安やお悩みがあれば、どうぞお一人で抱え込まず、私たちにお聞かせください。
(えなみ司法書士事務所/代表 司法書士 榎並慶太/神奈川県司法書士会所属/所在地:〒220-0004 横浜市西区北幸1丁目11番1号 水信ビル7階)
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お客様の時間的、費用的、そして精神的なご負担を少しでも軽くすることが、私たちの使命です。まずはお話をお伺いするだけでも結構です。あなたの不動産に関するお悩みを、ぜひ私たちにお任せください。

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