前回の記事では繰下げが認められる基準は、相続人と被相続人との生前の交流状況、債務の内容が被相続人の生活歴、生活状況等から想定しうるものであるか否か等から、相続人に相続財産の有無の調査を期待することの著しい困難性にあるとし、繰下げが認められた例を紹介しました。
今回の記事では反対に繰下げが認められなかった裁判例を紹介します。いずれも上記基準の下に相続財産の調査の期待可能性の有無により判断しております。
①夫が死亡した事件について、相続人のうち妻は13年以上別居で交流はないが、子供たちは夫と交流があり、夫の生活状況について認識があった場合は、たとえ夫に不動産や預貯金がなかったとしても子供たちに他に相続財産の有無の調査を期待することが困難とは言えないとして、起算点の繰下げを認めませんでした。
②妻の債務を保証した夫の債務の相続放棄について、たとえ被相続人が会社員であっても妻がブティックを経営している場合は、被相続人はその債務を保証している蓋然性があり、同居の相続人は相続財産の有無の調査を期待することが困難とは言えないとして、起算点の繰下げを認めませんでした。
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